遂に息子まで…

 

8月某日。
息子に、網膜色素変性症の疑いがかかり、2度目の検査をした。

願いも空しく、最悪の結果となった。

会計待ちの間、2人とも長い沈黙。

私は、めまいを起こしそうになったのを必死で耐えた。

私の両親の目は良い。
知る限りの身内に、同じ病気の人はいない。
私が突然出てきたパターンらしい。
だけど、息子に遺伝してしまった…。

何故?
何故?
遺伝しないこともあるのに、何故遺伝させたの?

どうして、次から次へと苦しめられる?

正直、どんどん見えなくなる自分の目の事で精一杯だった。
さらなる追い討ちをかけられて絶望感でいっぱい…。

 

未来ある男の子に、この病は酷すぎる。
本人は、あまり良く分かってないかもしれないが、これからどれだけ苦労するか…。
私が今まで経験した苦労と精神的な辛さを、これから味わうのかと思うと、胸が締め付けられる。

こんな事、高齢の母には言えない。

「孫は目が良い」

と、思っているから、最後までそう思わせておきたい。

 

今まで前向きに、一生懸命生きてきたけど、もう今回ばかりは心が折れそうだ。
やれるんだろうか?私に?

もう、失明しそうな私が息子を支えてやれるんだろうか?


お父さん…もう、しんどいよ…、、、助けて…

守ってやれなかったよ…